連載 くせものキーワード 第22回
感染症
和田 忠志
1,2
1保健・医療・福祉のキーワード研究会
2あおぞら診療所
pp.240-245
発行日 2003年3月1日
Published Date 2003/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100646
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介護保険が施行され,福祉の裾野が広がるにつれ,医療現場のみならず,福祉施設や在宅ケアの場でも「感染症」が注目されるようになっています。
とりわけ,介護保険施設・居宅サービス事業者などで問題となっている感染症は,疥癬,結核,MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌),ウイルス性肝炎などです。このような「感染症」の有無を知るために,介護保険サービス事業者などが医療機関に確認文書の発行を求めることがあります。しかし,サービス事業者等が医師に依頼する文書には,しばしば「伝染性疾患の有無」(の記載依頼)などと記載されています。つまり,このような「感染症」が「伝染性疾患」と解釈されており,用語そのものも混乱しています。また,「感染症がある」というだけの理由で介護サービスの提供を拒否されることがあることも問題になっています3)。
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