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乳児体重増加早見表と,保健婦活動に対するその価値に就いて
皆本 宏
1
1熊本市立保健所
pp.44-48
発行日 1957年9月10日
Published Date 1957/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201491
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緒論
保健婦の乳児訪門指導及び外来に於ける乳児栄養相談が,保健所活動の重要な一環として公衆衛生に大きな貢献をなしつつある事は言を俟たない.そして彼女等が母乳・人工栄養児の何れを問わず,その栄養相談に際して先ず第一の留意点として考えられるのは乳児の発育状態,殊に体重の日を追うての順調な増加の有無である.現在行われている体重測定は,先ず乳児の生後の実日数を計算し,それを全国平均の乳児体重一覧表の中の同一性別・同一日数の値と比較して指導の参考とする事に重点がある.これは乳児の発育の現在の位置を見定める第一の目安として不可決の仕事である.次に発育の良否を見る第一の指標として,生下時よりの一日平均増加量を計算する必要がある.
然し乍ら周知の如く,乳児の体重は生後の月数に従つて或は多く或は少く増加するものであつて月により一日平均増加量は差異を示すものである.即ち速度の概念を忘却する事は出来ない.即ちこの観点を含めて,多くの成書には乳児体重の増加量概算として例えば「1カ月より3カ月迄は一日増加約25〜30g,3カ月より6カ月迄は約20〜25g,6カ月より9カ月迄は約15〜20g,9カ月より12カ月迄は約10〜15g,と云う様な表が掲載されて居り,又,出生時体重を1とすれば3カ月末に2,12カ月末に3,3年で4…….と云う様な倍数表を示してある.
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