ベッドサイドの看護
アルコール性肝障害患者の生活指導
山本 喜美子
1
,
塩原 悦子
1
1不二越病院
pp.1182-1184
発行日 1978年11月1日
Published Date 1978/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918539
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はじめに
慢性疾患の多い内科病棟では,療養期間が長期にわたるため,その間に入退院を繰り返している患者が少なくない.内科的治療の主眼は,本来患者個人の持つ自然治癒力を助け,できるだけ早期に社会復帰をはかることにあると思われるが,私たち看護婦は看護面で医師と協力し,この目的が達せられるよう努力する必要がある.すなわち疾病の看護のみでなく,患者が疾病にならざるをえなかった生活環境や生活態度の解明にも目を向け,その疾病の社会的背景をも考慮する必要がある.しかし,日ごろの看護業務の多忙さを考えれば,これらを実行するには多くの困難が伴うことも事実である.
私たちはこれらをいかに克服するかを種々検討の上,現在の看護体制の中で,患者中心のマンツーマンの受け持ち制を取り入れることにより,患者と看護婦のよりよい対人関係を作る努力をし,患者に対しては生活指導用紙を試作して本人に記入させ,患者の生活環境を十分に把握し,患者個人個人に応じた看護を行っているが,今回飲酒による肝障害例について本主旨による試みを行い,多少の成果を得たので報告する.
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