ナースの手記
准看護婦としての3年間の経験/ナースの出発/帰り道
橋本 ミチ子
1
,
中崎 康子
2
,
宮下 政子
3
1国立宇多野療養所付属高等看護学院
2聖路加短大
3国立国府台病院
pp.62-65
発行日 1962年2月15日
Published Date 1962/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911570
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進学コースの高等看護学院に入学して9カ月……。入学する前はずいぶん長いと思われた2年間であつたが,入学してみると,時の過ぎるのは早いもので卒業までに必要な教育を受けるのに時間が足りぬのではないか,と心配になるほど短く感じられて来た。国立系の進学コースは療養所付属が多いと思うが,私たちの学院も療養所付属である。ときどき高等看護学院付属病院という名称の病院があつてもよさそうだと思うが,院外実習の7カ月は,本当にわずかでしかない。
私たちの教育は俗に赤本と呼ばれろ「高等看護学講座」によつて進められている。浅くて簡単であるが,一応習つて来たもの,たとえば基礎として習つたものが,高度となつて看護原理となる。よく准看学院のとき,教本の中に「准看護婦は手を洗う」と付記してあるのに妙にひつかかつて,講義が終わつても口癖のようにくりかえして,准看の生徒である自分を自嘲したものだ。でも,いまはそれがない。いろいろの科目もそれぞれにむずかしくなつた。
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