ルポルタージュ
日本看護協會東京支部—實費職業紹介所
谷 又昭
pp.36-38
発行日 1953年6月15日
Published Date 1953/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661907316
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第一印象
ところどころ破れて内側をみせている板塀,格子のくぐり戸,大きな土蔵,戰後の東京にはそう澤山はなさそうなこうしたつくりが目を見はらせる。一歩くゞつて入つた玄關は家の中の薄ぐらさを思わせる。3月の雨上りの太陽もこの家の中にまではとどかないらしい。陽の當らぬ場所なのだろうか。こういう家にはおよそ不釣合に玄關には女性のレィンシユーズが7,8足もあるだろうか,雑然とぬぎすてられている。格子戸とレインシユーズというアンバランスな取り合せが妙に印象的だ。
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