検査室の用語事典
超音波検査<基礎編>
竹原 靖明
1
1関東中央病院外科
pp.299
発行日 1979年3月15日
Published Date 1979/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915055
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18)近距離干渉帯;(Fresnel's)interference zone
振動子より放射された超音波は,その放射面に近い部分ではほぼ平面波として伝播するため,ビームは振動子の直径とほぼ同じ太さの円筒内をほとんど広がることなく伝播する.振動子面より遠い部分では球面波として伝播するため,ビームはしだいに広がる.この移行部(x1)は振動子の半径(a)と波長(λ)によって定まり,x1=a2/λで表される,このx1からみて振動子面に十分近い部分では,振動子の中央から出た音波と端から出た音波が相互に干渉して,複雑な音場を形成する.この範囲を近距離干渉帯または近距離音場と呼んでいる.x1より十分遠い部分は遠距離音場(Fraunhofer zone)と呼ばれ音場は単純になるが,ビームはしだいに広がり超音波エネルギーは著しく減弱する.
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