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内因性NO合成酵素阻害物質―ADMA
松岡 秀洋
1
,
今泉 勉
1
1久留米大学第三内科
キーワード:
一酸化窒素
,
メチル化アルギニン
,
冠危険因子
,
動脈硬化
Keyword:
一酸化窒素
,
メチル化アルギニン
,
冠危険因子
,
動脈硬化
pp.1559-1563
発行日 2000年11月15日
Published Date 2000/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904626
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1.はじめに
1998年のノーベル医学生理学賞がNOの発見と作用機序の解明に対して与えられたことは記憶に新しい.この10年問NO研究は瞠目すべき進歩を遂げてきたが,その原動力となったものがアルギニン誘導体を用いたNO合成酵素(NOS)の阻害実験である.すなわち,アルギニン誘導体の発見なくして今日のNO研究の進展は無かったと言っても過言ではない.
NO研究の端緒となったFurchgottによる内皮由来血管弛緩因子EDRFの発見に遡ること10年,大阪のKakimotoらがメチル化されたアルギニン誘導体NG,NG-dimethyl-L-arginine=asymmetric dimethylarginine;ADMAがヒト体内に存在することを初めて報告し,徳島のOgawa-Kimotoらが精力的にメチル化アルギニンの代謝調節系を相次いで発見して以来,わが国がこのユニークなアミノ酸研究をリードしてきた.一方,内因性NO合成阻害物質としてADMAの生理作用に着目したのが英国のVal-lanceらでありNOの生物学的活性が低下した病態におけるADMAの関与を示唆し,今日のADMA研究隆盛の礎を築いた.本稿では,基礎的事項と,生体内に存在するNO塵生調節系としてのADMAの病態における異常について概説する.
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