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編集後記
吉田 幸雄
pp.50
発行日 1949年9月1日
Published Date 1949/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210267
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二号の編集がやつと終つて,本印刷に廻されておつた去る7月27日,久松先生と小生とで, GHQのJohnson大佐を訪れた。創刊号が出來次第早々お見せして喜んで頂きたいと思つておつたが,いざとなると仲々氣が引けて一日一日と延びてしまつたが遂に決心して参上したものである。おそるおそる苦心の創刑号を大佐の机上に呈出すると先ず大佐は注意深く興味を持って眺められたが,最初「大變きれいな雜誌である。」と申され,次いで内容の題目の説明を求められた。心配しいしいページをめくりながら表題と筆者の名前を申上げて行くと,一つ一つうなづかれておられたが,最後に「大變よい構想である。」とほめられた。「早速Americaの關係方面に紹介したい。大いに今後努力するように。」といわれた。大佐のもとを辞して司令部から出ると,ホットした。早速前の丸ビルの地下室の食堂え飛込んで,久松先生と二人で大祝宴?を開いて前途を祝し合った。この雑誌も愈々國際場裡に出ることになった。独りよがりではならない。本当のものと取組まねばならぬと思うと緊張させられる。然し良いものを作るには矢張りこの眞剣さが必要であろう。読者の皆様と一緒に勉強させて項く。
偖愈々三号を世の中え途り出すことが出來た。赤坊も三つにでもなれば,一人歩きをする。「病院」もそろそろ雑誌らしい体裁が整つて來なければならない筈である。然し内容は先生方の御熱筆で光彩陸離たるものであるが,編集の未熟が目立つ。御許しを乞う。
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