新管理技術講座・4
自己申告制度
S
pp.74-75
発行日 1971年4月1日
Published Date 1971/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204295
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組織と人間 組織体は作られたものであるが,一度作られてしまうと,今度は作るものへの自己転換を行なう.そして,組織体を作った人間は組織体に組みこまれて,逆に組織体が自ら備えるに至った運動法則によって支配されることになる.その運命は,トップマネジメントといえどもまぬがれえない.まして,組織各部の構成単位である各職員は,全体機構に強く束縛された従属的な存在となる.
そうしたあり方が,人間の最も基本的なニードである自我的ニードないしは自己実現のニードとぶつからないはずはない.そこに,人間疎外の現象が生まれ,その克服と人間性の回復が大きく要望されるようになる.組織体が大きな活力をたたえて,その機能を十分に発揮するためには,そこに,そうした要望を満たすのに必要なしくみ,つまり,職員の主体性を組織運営の上に十分に維持しかつ活かすようなしくみを備えていなければならない.そのための1つの制度が自己申告制度である.
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