皮膚科図譜・75
猫疥癬
植村 隆
1
1東大皮膚科
pp.657
発行日 1957年8月1日
Published Date 1957/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202014
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15歳男子,学生。数日前より左前腕に小丘疹を生じ,2〜3日で両腕,胸部及び背部に拡がつた。患者は猫を抱いて寝ることをしていたと云つている。現在両腕の屈側,両側,胸,腹及び背部に掻痒性,一部結痂した粟粒大丘疹が多数散在している(第1図)。猫を伴れて来させてこれを検らべると耳朶から前頭部に結痂,乃至落屑した小丘疹を生じ,一部脱毛し,又糜爛面をも生じている。猫の発疹部から掻き取つた鱗屑内に多数の疥癬虫,形態学的にNotoedres catiと同定されるものを証明,組織標本に不全角化した角質層内に虫体断面を発見した(第2図両側,第3図)。
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