今月の臨床 治療困難例の排卵誘発
ゴナドトロピン療法
4.hMG療法時の黄体機能不全の治療法は
正岡 薫
1
,
根本 央
1
,
稲葉 憲之
1
1獨協医科大学産婦人科
pp.608-611
発行日 1997年6月10日
Published Date 1997/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902946
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体外受精—胚移植(IVF-ET)をはじめとする生殖補助技術(ART)の進歩にともない,hMGによる卵胞刺激,排卵誘発法はARTを行ううえでの基本技術として汎用されている.しかしながら,hMG療法時には黄体機能不全が起こりやすいことは周知の事実であり,とくにGnRH agonist(GnRHa)を併用した場合にこの傾向は顕著である1).黄体機能不全は分泌期内膜の形成不全を招き,胚の着床を障害するので,なんらかのlutealsupportが必要となる.しかし,luteal supportをめぐって,黄体ホルモンの補充療法がよいのか,あるいはhCGによる黄体の賦活療法がよいのか,いまだ見解の統一をみていないのが現状である.
本稿では当教室で行っているIVF-ETのデータおよび文献的考察からいずれのluteal sopportがすぐれているのか言及し,合わせてわれわれの行うluteal supportのプロトコールを紹介する.
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