増刊号 産婦人科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
婦人科編
V 婦人科手術
婦人科周術期の予防抗菌薬投与法
高江洲 陽太郎
1
,
大石 康文
1
,
向田 利一
1
1聖ヨハネ会桜町病院
pp.242-244
発行日 2014年4月20日
Published Date 2014/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103725
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背景・目的
一般的に予防的抗菌薬の投与の目的は,術部位の感染(surgical site infection : SSI)の予防とされており,遠隔部位の感染は対象としない.抗菌薬を投与することで組織レベルの無菌化を目標とするのではなく,術中汚染による細菌量を宿主防御機構でコントロール可能なレベルにまで下げるための補助的なものである.よって手術の対象臓器ごとに可能性の高い術野汚染菌に対して有効な抗菌薬を選択するのが望ましい.
むやみやたらな抗菌薬の投与はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)やpenicillin-resistant Streptococcus pneumoniae(PRSP)をはじめとする耐性菌などの発生を助長する可能性がある.無利益な抗菌薬の投与を避け,適切な周術期管理を行うことが手術の成果を左右するといっても過言ではない.今後,適切な抗菌薬の投与により婦人科領域におけるさらなる改善が望まれる.
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