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特集 甲状腺機能亢進症—外科医の役割
甲状腺機能亢進症治療法の選択と規準—131I療法の適応と禁忌
Indication and contraindication of 131I-therapy for hyperthyroidism
松井 謙吾
1
,
飯尾 正宏
1
Kengo MATSUI
1
,
Masahiro IIO
1
1東京都養育院付属病院核医学放射線部
pp.827-833
発行日 1977年7月20日
Published Date 1977/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206766
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はじめに
正常の甲状腺は放射線に対して感受性が低いが,甲状腺機能亢進症における甲状腺組織は上波細胞の増殖とリンパ球の浸潤が見られ,これらが放射線感受性の高いことから1900年頃よりX線による照射治療が,そして間もなくラジウムによる治療も行なわれるようになり現在に至つた.また最近ではベータートロンやライナックによる電子線治療も行なわれている.
一方1937年Fermiが放射性ヨードを発見し,1941年にはHanilton, Lawronceらによつてサイクロトロンによる131Iの臨床応用がなされ,戦後間もなく原子炉により大量製造供給されるようになつた131Iによる甲状腺機能亢進症の治療は急速に普及し,その組織親和性を利用した131Iから放出されるβ線の組織内照射と言う理想的な治療法として本疾患の治療に不可欠のものとなつたのである.
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