Japanese
English
特集 睡眠研究—最近の進歩
睡眠・覚醒の神経機構—神経生化学的ならびに神経生理学的側面
Neural Mechanisms of Sleep and Wakefulness: from Neurochemical and Neurophysiological Aspects
融 道男
1
,
仙波 純一
1
Michio Toru
1
,
Jun'ichi Semba
1
1国立武蔵療養所神経センター・疾病研究第三部
1Division of Psychobiology, National Center for Nervous, Mental and Muscular Disorders
pp.545-552
発行日 1980年5月15日
Published Date 1980/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203101
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I.はじめに
睡眠の機構を明らかにすることは,不眠などの睡眠障害を扱う臨床精神医学にとって大きな意義がある。従来神経生理学的手法で現象的記述がなされてきた睡眠研究に,神経生化学的,神経薬理学的な手段が導入されて,睡眠の機構を解明する気運が生じた。このようにして見出されたいくつかの事実を確かめるために,更に進歩した電気生理学的な手法が用いられるようになってきている。睡眠・覚醒リズムは動物に実験モデルを求めやすい点から自然科学的研究の好個の対象であり,一つの研究のモデルともいえる。筆者らは主として神経生化学的立場から研究を行なっているが,最近の神経生理学的知見をも含めて睡眠機構の研究の概況をまとめてみたい。
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