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編集後記
松田 圭二
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1同愛記念病院外科
pp.1833
発行日 2024年12月25日
Published Date 2024/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403203814
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10年前に「胃と腸」誌が虫垂に焦点を当てて,「虫垂病変のすべて—非腫瘍から腫瘍まで」(49巻4号)が発刊された(企画:鶴田修,江頭由太郎,二村聡の3氏と筆者).臨床現場では,消化器内科医が虫垂に限定した病変を診断する頻度は低い.虫垂に限局した特集であったため,他号の「胃と腸」誌と比べて外科医寄りの内容になったことは否めない.このときの著者を診療科別にみると外科4,内科3,病理3,放射線1と外科医が最多であった.
しかし実際は,腫瘍はもちろん炎症などの非腫瘍性病変であっても,虫垂病変はしばしば盲腸や回腸に拡がり,術前検査では盲腸や回腸の病変と診断され,手術後に虫垂原発病変であったと判明する症例を経験する.逆に盲腸や回腸の病変が虫垂へ進展することもある.他にも回腸病変が盲腸へ,盲腸病変が回腸へと波及する症例もみられる.そもそも解剖学的見地から,回腸,盲腸,虫垂は連なっており,言わば“隣り合わせのご近所”である.したがって,本号ではこれらを無理に区分せず,広く「回盲部・虫垂病変」として取り上げることとした.そして10年前と異なり,本誌の読者層の中心である消化器内科医が興味を持てるような内容とした.そのため本号の執筆者は,内科16,外科3,病理2と圧倒的に内科医が多くなった.
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