臨床検査のピットフォール
甲状腺機能評価のピットフォール
村上 正巳
1
1群馬大学大学院医学系研究科臨床検査医学
pp.990-993
発行日 2026年9月1日
Published Date 2026/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126110540090990
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はじめに
甲状腺ホルモンの合成と分泌は,視床下部-下垂体-甲状腺系によって制御されている.血中で増加した甲状腺ホルモンは,ネガティブフィードバック機構により視床下部の甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(thyrotropin-releasing hormone:TRH)および下垂体の甲状腺刺激ホルモン(thyroid stimulating hormone:TSH)の分泌を抑制し,甲状腺におけるホルモン産生が抑制される.血中甲状腺ホルモンが減少するとTRHおよびTSHの分泌が亢進し,甲状腺におけるホルモン産生が刺激される1).すなわち典型例では,TSHの増加は原発性甲状腺機能低下症を,TSHの減少は原発性甲状腺機能亢進症を示す.TSH測定は甲状腺機能を知るうえで重要な指標であり,わが国では2020年に,TSHのハーモナイゼーションが行われた2).

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