FOCUS
パニック値(critical value)対応の最適化に向けて—横浜市立大学附属病院の実践から学ぶ
黒沢 貴之
1
1横浜市立大学附属病院臨床検査部
pp.973-975
発行日 2026年9月1日
Published Date 2026/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126110540090973
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
パニック値(critical value)とは,“生命が危ぶまれるほど危険な状態を示唆する異常値”であり,直ちに治療を開始すれば救命しうるが,検査によってのみ把握可能な重要指標である1).臨床検査部門から診療側への迅速かつ確実な報告は,患者の生命を守る医療安全の根幹である.
日本臨床検査医学会は2017年の全国調査でパニック値の運用が医療機関間で統一されていない現状を明らかにし,2021年に『臨床検査「パニック値」運用に関する提言書』を公表,2024年6月に改定版を発表した2).さらに2024年12月,日本医療安全調査機構が「血液検査パニック値に係る死亡事例の分析」(第20号提言)3)を公表し,12件の死亡事例から5つの提言を示した.
横浜市立大学附属病院(以下,当院)は2020年にパニック値運用体制を構築し,2024年にこれらの提言に則った運用見直しを実施した.本稿では,当院の実践を通じて,提言に基づく適切な運用のあり方を考察する.

Copyright © 2026, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.

