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てんかんの診かた

てんかんの診かた
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筆頭著者 兼子 直 (編著)

新興医学出版社

電子版ISBN

電子版発売日 2017年12月25日

ページ数 168

判型 B5

印刷版ISBN 978-4-88002-764-7

印刷版発行年月 2016年10月

DOI https://doi.org/10.18887/9784880027647

書籍・雑誌概要

てんかん専門医が経験した確定診断が困難だった症例、治療介入により症状が安定、あるいは悪化した症例など、全64症例を呈示。各症例ごとに診断に至る着眼点、治療方針を決定づけたポイントについて、わかりやすく解説している。さらに発作抑制を目的とした外科手術や薬物療法のみではなく、患者への精神医学的ケア、行動療法的アプローチ、また家族や学校、職場などの環境調整がてんかん治療において極めて重要であることを症例の経過を通し伝えている。
医療従事者だけでなく、当事者、家族、施設・学校関係者、警察・司法関係者など、てんかんに関わるすべての方にお読みいただきたい1冊です。

目次

Ⅰ.まぎらわしい身体疾患とてんかん
A.繰り返す脳波検査で異常がなく失神と診断されていたが,てんかんだった症例 (加藤昌明)
B.自己免疫性辺縁系脳炎は側頭葉てんかんを擬態することがある (吉野相英)
C.てんかんとの鑑別を要し失神と診断された症例 (榎日出夫)
D.問診によりてんかんと鑑別したもやもや病の学童症例 (榎日出夫)
E.低血糖発作を側頭葉てんかんと誤診した1例 (管るみ子)
F.脳波異常を根拠にてんかん性頭痛として治療されていた遺尿症の幼児症例 (榎日出夫)
G.発作的な不随意運動を繰り返していた家族症例 (榎日出夫)
まとめ (兼子 直)


Ⅱ.まぎらわしい睡眠障害・解離性障害とてんかん
A.けいれん発作が繰り返された場合でもてんかんであるとは限らない―心理的原因にも注意が必要 (和田一丸)
B.自身の証としての心因性非てんかん性発作 (岩佐博人)
C.てんかん発作らしい症状が反復してもてんかん発作とは限らない? (村田佳子・渡辺雅子)
D.終夜睡眠ポリグラフィが捉えた,複雑部分発作に伴う発作性心停止 (塚田恵鯉子・渡辺雅子)
E.睡眠障害を主訴として来院した症例 (兼本浩祐)
F.夜中に何度も覚醒する前頭葉てんかんの男児例 (佐野のぞみ)
G.てんかんとして治療されていた夢中遊行の学童症例 (榎日出夫)
まとめ (兼子 直)


Ⅲ.見落としがちなてんかん
A.突発性脳波異常を呈した自己臭症の1例 (木戸日出喜・安本真由美)
B.はじめは心因反応,それからアルツハイマー病と思われていた症例 (兼本浩祐)
C.初回のビデオ脳波ではみられなかった脳波異常が2回目に記録された症例 (香川幸太・飯田幸治)
D.心因性非てんかん性発作を伴う不登校とみられていた,前頭葉てんかんの中学生 (榎日出夫)
E.チックと診断されていた良性小児てんかんの症例 (榎日出夫)
F.パニック障害として加療されていたてんかんの症例 (上野幹二・和田有司)
まとめ (兼子 直)

Ⅳ.経過中に精神症状を伴うてんかん
A.反復して精神病性挿間症を呈した症例 (木戸日出喜)
B.措置入院や応急入院を要した発作間欠期精神病の1例 (藤井 勉)
C.空想的虚言がみられた外傷性てんかんの1例 (管るみ子)
D.てんかん手術後に精神科的介入を要した症例 (片桐匡弥・飯田幸治)
E.減弱精神病症状には抗精神病薬を投与しないのが原則 (松岡洋夫)
F.抗てんかん薬中止により暴力行為が消失した1例 (小畑信彦)
G.良性てんかんの経過中に空間恐怖と恐慌性障害を認めた1例 (小穴康功)
H.側頭葉てんかん術後にみられる多彩な精神症状をどう診断,治療するか? (松岡洋夫)
I.14回の入院歴をもち,情緒不安定でパーソナリティ障害を呈した症例 (小穴康功)
まとめ (兼子 直)


Ⅴ.身体疾患と合併するてんかん
A.特発性副甲状腺機能低下症による複雑部分発作例 (管るみ子)
B.Wilson病に合併したてんかん症例 (管るみ子)
まとめ (成田則正・兼子 直)

Ⅵ.精神発達遅滞とてんかん
A.心因性非てんかん性発作と精神発達遅滞を伴う症例に対しては行動療法と環境調整 (蟹江絢子)
B.てんかんの併存障害は統合的かつ多面的にとらえる (岩佐博人)
C.長年の深刻な行動障害が環境調整によって劇的に改善したケース―軽度精神遅滞を伴うWest症候群の女性例― (森本 清)
D.施設入所により発作を忌避する家族から解放された後頭葉てんかんの1例 (大沢武志)
まとめ (兼子 直)


Ⅶ.抗てんかん薬と精神症状
A.レベチラセタム開始後,抑うつ・イライラ等の精神症状が出現した症例 (加藤昌明)

B.レベチラセタム追加後,著明な攻撃性を呈した側頭葉てんかん例 (管るみ子)
C.ゾニサミド開始後,精神病症状が出現するも医療者に話さず処方が継続されていた症例 (加藤昌明)
D.トピラマートによってうつ状態あるいは無気力が生じることがある (吉野相英)
E.抗てんかん薬により認知機能低下や体重減少が強く出る場合がある (岩城弘隆・立川和裕・兼子 直)
F.抗てんかん薬の変更で精神状態が劇的に改善した1例 (小畑信彦)
G.てんかん性昏迷に対するバルプロ酸の予防効果 (木戸日出喜)
まとめ (兼子 直)


Ⅷ.高齢者とてんかん
A.情動変化後に記憶障害を呈したTransient epileptic amnesiaの1例 (管るみ子)
B.Wernicke失語を合併した症候性局在関連性てんかんでフェニトイン中毒症状を呈した1例 (笹川睦男)
C.身体疾患に注意が必要な高齢者てんかんの1例 (金山隆夫)
D.見落とされている事実はないだろうか?マイナーなてんかん発作に気を配る (曽根大地・渡辺雅子)
まとめ (兼子 直)


Ⅸ.運転とてんかん
A.週数回明け方に発作を起こすも,運転免許取得を希望している症例 (岡崎光俊)
B.10年間に50回以上発作による事故を起こした症例 (管るみ子)
まとめ (兼子 直)

Ⅹ.就労とてんかん
A.職場の環境調整によるストレス軽減がバルプロ酸減量につながり,妊娠・出産した症例 (加藤昌明)
B.てんかん発作のみならず,家族の無理解のため就労困難であった症例 (管るみ子)
C.発作・記銘力低下があってもてんかんと向き合い,一般就労に結びついた症例 (宮﨑直子・大石智範)
まとめ (兼子 直)

トピック「てんかんの患者さんにどのようなサポートを提供できるか」 (宮﨑直子)

Ⅺ.注意を要するてんかん
A.副作用が出やすく,ごく微量からの処方が効果的だった症例 (加藤昌明)
B.長期内服加療のみ行われていたが,右海馬硬化が確認され外科手術により発作が消失した症例 (香川幸太・飯田幸治)
C.高校受験期に複雑部分発作が頻発していたが,数年後に脳波正常となった症例 (小穴康功)
D.脳外科手術が施行され,発作を怖れる家族の過保護養育環境から解放された1例 (大沢武志)
E.てんかんとして治療されていた発作性非運動誘発性ジスキネジアの男児例 (米衛ちひろ・高橋 悟)
F.パニック障害とてんかん発作が併存した症例 (加藤昌明)
まとめ (兼子 直)

Ⅻ.その他のてんかん
A.悪性症候群は非けいれん性発作重積を併発することがある (吉野相英)
B.睡眠時無呼吸症候群を枕の工夫で改善させ発作が激減した部分てんかんの1例 (大沢武志)
C.統合失調症患者に,てんかんが合併したら (倉持 泉・渡辺裕貴)
D.非定型精神病とてんかんが合併している症例 (渡邊さつき・渡辺裕貴)
E.刑事鑑定の相談のあった1例 (竹田康二・渡辺裕貴)
まとめ (兼子 直)

参考資料「てんかん発作の分類」 (兼子 直)
索  引