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仙腸関節の痛み

診断のつかない腰痛

仙腸関節の痛み
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筆頭著者 村上 栄一 (著)

仙台社会保険病院副院長・腰痛・仙腸関節センター長

南江堂

電子版ISBN 978-4-524-28614-0

電子版発売日 2016年6月6日

ページ数 174

判型 B5

印刷版ISBN 978-4-524-26402-5

印刷版発行年月 2012年3月

DOI https://doi.org/10.15106/9784524264025

書籍・雑誌概要

原因疾患が明らかでない,非特異性といわれる腰痛・殿部痛のうち,仙腸関節障害由来の疼痛の占める割合が多いことが,特に整形外科医・脳外科医の間で認知されているが,MRIやCTで特異な所見を捉えることが困難なために,その多くが見逃されている.その疾患概念から,診断の決め手となる疼痛誘発テスト,仙腸関節ブロックの実際を豊富な写真で詳説,さらに治療の最終手段となる仙腸関節固定術からリハビリ,予防法までを解説したハンドブック.

目次

【内容目次】
1章 歴史から忘れられた仙腸関節
 1.腰痛の原因
 2.忘れ去られた関節=仙腸関節
  COLUMN 仙腸関節の研究を行うようになったきっかけ

2章 仙腸関節の基礎
 1.解剖
  a 四足歩行から二足歩行への進化
  b 形態解剖
  c 仙腸関節の特異性
 2.神経支配
 3.バイオメカニクス
  a 二足歩行に最も適合した仙腸関節
  b 関節の反射
  c 可動域
  d 骨盤運動学
  e 骨盤の安定機構
  COLUMN ダンパー作用を持つ仙腸関節
  COLUMN 絶妙な仙腸関節の働き
  COLUMN 仙腸関節の動きを制御する長後仙腸靱帯と仙結節靱帯

3章 仙腸関節の痛みの病態
 1.疾患概念と疫学
  a 病態
  b 仙腸関節障害の誘因
  c 仙腸関節の病態の分類
  d 腰椎疾患と仙腸関節障害との合併
  e 頻度と年齢分布
 2.臨床症状
  a 特徴的な疼痛域
  b 疼痛としびれの領域
  c 関連痛の把握なしに下肢痛の診断は困難
  d 下肢症状からの仙腸関節障害と腰部神経根障害の鑑別
  e 疼痛発現動作の特徴
  f 座位による疼痛
 3.理学所見
  a 神経学的所見
  b 圧痛点
  c 下肢伸展拳上(SLR)テストとbow string徴候の意義
 4.検査所見
  a 画像所見
  b 血液検査所見
  COLUMN 仙腸関節障害は機能障害という点で肘内障の病態に類似している
  COLUMN 仙台社会保険病院腰痛・仙腸関節センターの仙腸関節障害患者の構成
  COLUMN 大転子から膝外側に走る痛み?仙腸関節障害を疑え!
  COLUMN 座位で疼痛が出る原理
  COLUMN ストレスCT所見
  COLUMN 腸骨硬化性骨炎と変形性仙腸関節症
  COLUMN 無症候性MRI病変

4章 仙腸関節の痛みの診断
 1.特徴的な疼痛域
 2.検査
  a 疼痛誘発テスト
  b one finger test(1本指さしテスト)
  c 診断に有用な圧痛点
 3.診断
  a 仙腸関節障害の診断
  b 診断の流れ
  c ブロック効果の判断の時期
 4.鑑別診断
  a 腰椎疾患およびその周辺の痛みとの鑑別
  b 股関節障害と仙腸関節
  c 鑑別を要する他臓器疾患
  COLUMN 画像所見に騙されないでください!
  COLUMN 疼痛域の同定法に注意!
  COLUMN 仙腸関節スコア(試案)
  COLUMN 仙腸関節障害の痛みと腰椎疾患の仙腸関節部への痛みの鑑別のポイント
  COLUMN 仙腸関節ブロックで軽快しない大転子後面の痛み
  COLUMN スポーツ障害と仙腸関節の痛み

5章 仙腸関節の痛みの治療
 1.治療方針
 2.保存療法
  a 仙腸関節ブロック
  b 薬物療法
  c 骨盤ゴムベルトの装着
  d AKA-博田法
 3.手術療法(仙腸関節固定術)
  a 適応
  b 手術法の変遷
  c 手順の紹介
  d 後療法と生活指導
  e 術後成績
  f 合併症
  COLUMN 仙腸関節部の温熱療法が有効!
  COLUMN 鍼治療

6章 仙腸関節ブロック:マニュアル
[A.ベッドサイドブロック]
 1.最適体位
  a 腹臥位
  b 立位前屈位
  c 座位前屈位
 2.使用物品
  a 局所麻酔薬
  b ブロック針
  c 注射筒
 3.上後腸骨棘(PSIS)の同定
  a 同定法1
  b 同定法2
  c 同定法3
 4.ブロック針の刺入方向
  a 効果的なブロック針刺入
  b 安全な刺入方向
  c 安全で効果的なブロック針の刺入方向
 5.ブロック針刺入の実際
  a 立位前屈位
  b ブロック針の刺入
 6.ブロック針刺入時の注意点
  a area 0への針刺入
  b PSIS下方ブロックの限界とリスク
 7.ブロック針が進まないとき
  a 針が進まない原因
  b 針を進めるコツ
 8.針の深さ,薬剤の使用量・注入速度,ブロック後の評価
  a ブロック針の深さ
  b 局所麻酔薬の注入量
  c 局所麻酔薬の注入速度
  d ブロックのコツ
  e ブロック後の評価
 9.手順のまとめ
  a 立位前屈位
  b PSISの同定
  c ブロック針の刺入
  d 局所麻酔薬の注入
  e ブロック後の評価
[B.TV透視下ブロック]
 1.使用物品
 2.区画の設定
 3.手順
 4.局所麻酔薬の注入量
 5.ブロック針の深さの確認
 6.ブロックの実際
  a area2へのブロック
  b area3へのブロック
  c area1へのブロック
  d area0へのブロック
 7.各区画の関連痛域
 8.効果の判定
 9.ブロック後の経過
  COLUMN 後方靱帯へのブロックは安全!
  COLUMN ブロック針の到達経路
  COLUMN 超音波ガイド下ブロック法
  COLUMN TV透視下ブロック施行時の局所麻酔薬の注入速度
  COLUMN area1へのブロックのコツ
  COLUMN 4区画からの関連痛域の要約
  COLUMN ブロック効果の聞き方
  COLUMN ベッドサイドとTV透視下ブロックで仙腸関節の痛みの診断が可能!

7章 機能改善と予防法
 1.骨盤の性差
 2.仙腸関節機能の改善に有効な道具
  a 骨盤ゴムベルト
  b バランスボール
  c フレックスクッション
  d あぐら座クッション
 3.仙腸関節障害の予防
  a 仙腸関節障害予防のポイント
  b 生理歩行
  c 腰椎安定化運動
  d 開脚上下体操
  COLUMN 生活様式が女性の骨盤に影響
  COLUMN バランスボールの効用
  COLUMN 病態別のリハビリが必要

8章 画像で診断できない腰痛の悲劇:症例の呈示
  症例1 腰椎後方椎体間固定術(PLIF)が行われる寸前であった仙腸関節障害
  症例2 鼡径部痛を主訴とした仙腸関節障害
  症例3 仙腸関節ブロックで鼡径部痛が軽快した変形性股関節症
  症例4 人工股関節全置換術(THA)後に生じた仙腸関節障害
  症例5 腰椎椎間板ヘルニアに合併した仙腸関節障害
  症例6 腰部脊柱管狭窄症の術後に発症した仙腸関節障害
  症例7 腰椎椎間板ヘルニアの摘出術で症状が消失した仙腸関節障害
  症例8 腰椎固定術後に発症した仙腸関節障害
  症例9 腰椎椎体間固定術後に内固定を抜去して軽快した仙腸関節障害
  症例10 胸腰椎移行部圧迫骨折後に生じた仙腸関節障害
  症例11 下肢の脱力で歩行困難を呈した仙腸関節障害
  症例12 身体表現性障害(心因性疼痛)との診断を下された仙腸関節障害
  症例13 詐病を疑われた仙腸関節障害
  COLUMN 仙腸関節ダム理論

9章 紹介
 1.仙腸関節セミナー
 2.腰痛・仙腸関節センター
 3.日本仙腸関節研究会
  COLUMN 研究会でのフリー・トーキング例

後記
索引