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看護教育 Vol.58 No.6

特集 実践知の学びを再考する“わざ言語”

看護教育 Vol.58 No.6
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医学書院

電子版ISSN 1882-1391

電子版発売日 2017年8月7日

ページ数 88

判型 B5

印刷版ISSN 0047-1895

印刷版発行年月 2017年5月

書籍・雑誌概要

特集 実践知の学びを再考する“わざ言語” -

目次



 「看護とはサイエンスでありアートである」と言われてきました。これは,もう古い,意味をなさない言葉でしょうか。
 看護基礎教育の「技術教育」は,戦後,看護技術をサイエンスとして,看護師全員の普遍的な技術の獲得をめざしてきました。そのために,卓越した実践である「技能」を,科学的言語で記述し,それを反復によって習得していくモデルに依ってきました。この考え方は,講義や学内で習った「基礎」を段階的に積み上げることによって,実習現場,あるいは卒後に「活用」することを目指すものです。
 実際の教育現場でも,そのようにカリキュラムとして段階的に学ぶよう構成された知識や科学的な手順を,学生が看護実践に結びつけられない,という悩みが頻出しているようです。こうした悩みの背景の仮説として,看護のアートの部分が不十分と考えられるのではないでしょうか。
 今回の特集である“わざ言語”は,まさに上記のサイエンスの形式の学びについての疑問から,伝統芸能や楽器演奏,スポーツなど,身体をともなうアート“わざ”の伝承,学びに着目するものです。
 看護という“実践知”を学ぶとはどういうことか。看護はサイエンスでありアートである,という考えから,現在の技術教育の問題点にふれ,より良い知の伝承をめぐるヒントとなれば幸いです。

「わざ言語」という問い
生田 久美子
わざ言語が看護教育にもたらすインパクト
前川 幸子
臨地で学生と共有される実習指導者の感覚と看護のわざ
原田 千鶴
【対談】マイムにたずねるアートの知と伝承
奥野 衆英/前川 幸子



■スクランブルゾーン
教育初心者でも授業は改善できる?
 「大学教員のためのFD研修会」に参加して学んだこと
山本 容子



●フィンランドとの交流経験からの
 今後の日本の看護教育,研究活動への示唆・1
修士・博士をもつ看護師の臨床における活動と役割
南川 美月/大濱 悦子
●学生なら誰でも知っている 看護コトバのダイバーシティ・6
「安静」
木村 映里
●看護教育,継往開来!・3
サービスとしての教育と専門性をもつ教師のあり方
江藤 裕之/林 千冬
●東西南北! 学生募集旅日誌・12(最終回)
一期一会の出会いとつながりに感謝!
高塚 由香里
●リズムとからだ 「うまくいく」と「うまくいかない」の謎・3
声道のモーフィング
伊藤 亜紗
●すべって,転んで,立ち上がるために~看護職生涯発達学から~・3
看護師1人ひとりが,看護そのものに魅力を感じながら働き続けるために
水谷 桂子
研究解説:看護実践のなかの2つの「知」を編み直すこと
佐藤 紀子
●優れた“わざ”をどう伝えるか 技術の「背後にある意味」を考える・6
いつの間にか消えてしまった看護技術 おんぶ
阿保 順子
●「配慮が必要な学生」の学びにつなげる対応
 臨地実習における教育上の調整を考える・6
感情起伏が激しく,敵味方の区別が著しい特徴をもつ学生への対応
松岡 千代