発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004199690
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小型肺腺癌症例に対する縮小手術の妥当性を検証した.1985年3月から2003年7月までに縮小手術を行った原発性肺癌833症例を対象とし,CT上腫瘍径2cm以下の小型肺腺癌例をretorospectiveに検討するとともにspiral CT導入による肺野末梢型多発肺癌の診断に対する影響を検討した.spiral CT導入前12.6%であった小型肺腺癌の頻度は,導入後29.1%まで増加し,その内訳は女性,病理病期Ia期,すりガラス状陰影(GGO)優位型が増加しており,疾患構成にも変化がみられた.GGO優位型小型肺腺癌の術後無再発生存率は3年,5年ともに95±5%であったが,GGO非優位型では肺葉切除と定型的縦隔リンパ節郭清の併用が多く選択されたにも拘らず,有意に術後再発が多かった.また,spiral CT導入後,腺癌同士の同時多発腺癌および多発小型肺腺癌が増加しており,同時多発小型肺腺癌手術例11例では術式に部分切除,区域切除を多用しているにも拘らず,全症例無再発生存中である
©Nankodo Co., Ltd., 2004