第21回日本腎不全看護学会・学術集会記録 【教育講演】
1.腎不全看護師が知るべき腎移植の知識
上條 祐司
1
1信州大学医学部附属病院腎臓内科
キーワード:
腎代替療法選択
,
献腎移植
,
生体腎移植
,
全身管理
,
施設間連携
Keyword:
腎代替療法選択
,
献腎移植
,
生体腎移植
,
全身管理
,
施設間連携
pp.24-31
発行日 2019年4月30日
Published Date 2019/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003200153
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ポイント
▶ 腎移植は腎代替療法のなかで最も割合が少ない.
▶ 腎移植は確立した腎代替療法であり予後やQOLが最も良好である.
▶ 腎不全患者は腎移植に関心があるが情報不足の状態にあるため,医療者が適切に情報提供を行う必要がある.
▶ 献腎移植の普及には献腎に関する啓蒙活動や国民意識の向上が必要である.
▶ 腎移植長期待機患者は,良好な全身状態の維持が必要である.
▶ 以前は不可能だった生体腎移植が可能となっている.
腎移植は腎代替療法のなかで最も割合が少ないが,血液透析,腹膜透析,腎移植を比較すると,腎移植が最も予後やQOLが良好である.しかし,日本においては,末期腎不全患者のなかで腎移植が選択されるのは0.5%と極めて少ない.腎不全患者は腎移植に関心はあるが,情報不足の状態にあり適切な腎代替療法選択ができていない可能性があるため,医療者が適切に情報提供を行う必要がある.また,腎移植件数が低い原因として,献腎移植における臓器提供が極めて少ないことがあげられる.献腎移植の普及には,まず献腎移植に関する啓蒙活動や国民意識の向上が必要である.献腎移植が成立するまでに長期待機時間が必要となるため,献腎移植希望患者に対する良好な全身状態管理(感染症の評価・予防・治療,悪性腫瘍の早期発見・治療,心臓血管病の発症予防など)が必要である.また,円滑な献腎移植のため,透析施設と移植登録施設間の緊密な腎移植待機患者に関する情報共有が必要である.近年は,以前は不可能だった生体腎移植も可能となっているため,若い末期腎不全患者に対しては,生体腎移植の可能性がないか検討する必要がある.
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